相談することはとても難しいです。例えば仕事で上司から「相談してね」と言われても、仕事が出来ないと思われたくなくて、なかなか相談できない、悩みがあっても恥ずかしくて相談できない等。相談って色々あってできないものですよね。
昨今、特にビジネスでは既成概念に囚われず、変化すること・し続けることが求められていますが、僕はというと、ここ数年スタッフさんを雇うようになったのですが、僕が20代の頃、ある年配の方が経験に基づいて、こちらの意見を否定されるのが嫌で仕方なく、飛び出して独立しました。なのに、今度は自分がその年配の方の立場のようになりつつあるような言動、それに近いものを口にした記憶があります(その度にはッとするのですが)。
これまでの経験がこうだったから、これからもこうだ。という発想、心理学的には「現状維持バイアス」というものらしく、人間のような弱い種族の生存本能だそうで、相談とは、この現状維持バイアスを壊す行為と見ることができるかもしれません。(相談しないで済むならしたくないですもんね。)
今回、僕はあることで相談をさせてもらえる機会をいただき(その時点でかなり相談へのハードルは下がっているのですが)、とはいえ、変化するためには、自分の弱さ、手の届いていない部分を相手に差し出すことになるので、一体どう思われるのか?できればこのままでもいいのでは?と心の中では思っていて、今回の僕は変化を恐れている自分が居ました。最後は「まぁ…いいか」と観念したような気持ちに…この気持ちがすでに現状維持バイアスですね。兎に角、相談は進みました。
内容は割愛しますが、
相談した結果、僕の行動が変わりました。これには明確な理由があります。
相談相手が同じ空間に2人いてもらえたことです。信頼しているAさんからの紹介(ここが大事)で、相談相手となるBさんを紹介いただき、僕含めて3人での話になりました。つまり、相談の対象となる問題あるいは課題が3人で客観的な視点で「共有」されたということです。
1対1の相談だけで外れるほど、現状維持バイアスは簡単ではありませんでした。
(Aさんを力不足だと言っているのではありません。それほど、思考の傾きというのは強いということです。)
相談する側の人間は止まったコマのように、アンバランスで倒れそうで、右から紐で引っ張ってもすぐに右に傾き、左から引っ張れば左に…。左右どちらからも引っ張ることで、ようやくある位置で安定するようなイメージです。
そうなることで、客観的な視点から考えることができ、思考の傾きが抑えられます。
もちろん、僕の相談に対するアドバイスが的確だった事、AさんBさんがとても親身になって話を聞いてくださった事が前提であることは言うまでもありません。
1対1での相談で難しい場合は、3人だと良いかもしれません。メンバーは「信頼する人」「その人から紹介される相談相手」、そして「自分自身」の3名、がバイアスを外すきっかけになるかもしれませんよ。
読んでいただきありがとうございました。